名古屋大学の就活事情は?就職先ランキング・平均年収・インターンを解説!
名古屋大学(以下、名大)は中部地区で最高レベルの教育水準の大学と言われており、特に地元企業への就職に強い大学です。
愛知県に本社があるトヨタ自動車など地元企業へ就職する名大生が多い傾向にありましたが、近年は就職先が多様化しています。
そうなると近年の名大生の就活事情が気になりますよね。
本記事では、名大生の就職先ランキングや卒業生の平均年収、インターン事情などを徹底的に解説します。
名古屋大学の就職先ランキング
2023年の名大生の就職先ランキングを紹介します。
このランキングには大学院修了者も含まれています。
順位 | 企業名 | 就職人数 |
---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 46 |
2 | デンソー | 33 |
3 | 日本ガイシ | 26 |
4 | 中部電力パワーグリッド | 24 |
5 | ブラザー工業 | 21 |
6 | 豊田自動織機 | 19 |
7 | アクセンチュア | 18 |
8 | 楽天グループ | 17 |
9 | 中部電力 | 16 |
9 | 三菱電機 | 16 |
参考:東海地方主要大学・大学別就職先ランキング調査について - 予備校なら武田塾 尾張旭校
ランキングを見ると、名大の強みである工学系の人材の需要が高いことがわかります。
トヨタグループ企業(トヨタ自動車、デンソー、豊田自動織機)への就職が多いことから、中部地方の人気産業への人気がうかがえます。
一方で、アクセンチュアや楽天グループなどのIT・コンサルティング企業も上位に入っており、学生の就職先の多様化が進んでいると言えるでしょう。
特に、楽天グループへの就職者が17名いることは、名古屋大学の卒業生がIT業界でも活躍の場を広げていることを示しています。
中部電力への就職者も多いことから、エネルギー産業への就職も人気があることがわかります。
これは、名古屋大学の工学教育が幅広い分野をカバーしていることの表れです。
このランキングは、名古屋大学の卒業生が地元企業を中心に幅広い業界で活躍していることを示しています。
同時に、IT企業やコンサルティング企業への就職も増加傾向にあり、本記事冒頭で紹介した通り、卒業生のキャリア選択の幅が広がっていることが推測できます。
また、ランキングには公務員への就職は含まれていませんが、名大を卒業して名古屋市役所や愛知県庁など地方公務員への就職する学生も一定数いるのが名大就職の特徴です。
名古屋大学の卒業生の年収
名大卒業生の年収はキャリアステージによって変動し、全体的に高水準なのが特徴です。
全年齢層での平均年収は860.1万円であり、これは全国の大学中12位に位置します。
(参考:日経転職版)
年代別の名大生の平均年収を紹介します。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 506.3万円 |
30代 | 719.6万円 |
40代 | 929.6万円 |
50代 | 1,102.5万円 |
20代で、平均年収は506.3万円で、全国の大学ランキングでは10位に位置します。この数字は、同年代の全国平均(328万円)を大きく上回っています。
30代では、平均年収は719.6万円まで上昇し、ランキングでは14位です。この時期に大きな年収の伸びが見られ、キャリアの確立期であることがわかります。
40代では、929.6万円まで上昇し、ランキングでは12位に位置します。この年代で多くの卒業生が管理職に就き、年収が大幅に増加する傾向がある。
50代以上では、平均年収は1,102.5万円に達し、ランキングでは12位を維持しています。この年代では、経営層や高度専門職に就く卒業生が増え、年収が最大化します。
(参考:民間給与実態統計調査 、【年収】大学別 平均年収比較ランキングTOP1~30)
名大卒業生の年収は、キャリアアップとともに着実に上昇していく点が特徴です。
20代から50代以上にかけて、年収は約2.2倍に増加しています。
また、業界別の分析では、医・歯・薬学部卒業生の平均年収が506万円と最も高く、次いで理・工学部卒業生が495万円となっています。(参考:出身大学別の平均年収をランキングで一挙にご紹介!)
これは、名古屋大学の強みである理系分野の卒業生が高い市場価値を持っていることを裏付けていると言えるでしょう。
しかし、トヨタ自動車など地元企業を志望する名大生も多いからこそ、若手の平均年収がやや低くなってしまうという傾向もあります。
優秀な名大卒業生は20代の中でも高収入であることは事実です。
しかし、名古屋を中心とする中部地方の給与水準は東京などの大都市圏と比較してやや低い傾向にあります。
その影響を受け、特に若年層の年収が他の旧帝国大学と比較してやや低めに推移してしまう可能性は否定できません。
他の大学の卒業生のように東京や大阪に出ていく卒業生がさらに増えると、名大卒業生の20代の平均年収はもう少し高くなるでしょう。
若手の平均年収が最上位にランクインしないものの、長期的に見ると名大卒業生の年収は高水準を推移しています。
これは卒業生の高い能力が評価されている証です。
特にトヨタグループをはじめとする地元の大企業での活躍が、この高い年収水準を支えていると考えられます。
名古屋大学の学生の就職活動
名大の就職活動は、大学側の充実したサポート体制と地域産業の特性を活かした独自の就活スタイルがあります。
名大の就職活動の特徴をみていきましょう。
地元志向の強さ
近年少しずつ多様化している一方で、名大生は中部地方の企業への就職を好む傾向が強くあります。これは、トヨタグループをはじめとする地元の大手企業が多数存在することが要因です。
理系人材の需要
近年、工学部や情報学部の卒業への需要が高く、優秀な名大の工学部・情報学部の卒業生は高く評価されています。
インターンシップ開講
名古屋大学大学院工学研究科は産学連携教育プログラムの一環として、研究インターンシップを開講しています。インターンシップを通して課題設定力や問題解決力を養うことで、高い就職率に繋がっています。
一定数いる公務員志望者
名古屋市役所や愛知県庁など、地方公務員を志望する学生も一定数存在し、毎年安定した就職実績があります。
名大生の就職体制において、キャリアサポートセンターが中心的な役割を果たしています。
センターでは、個別相談、エントリーシート添削、模擬面接など、きめ細かなサポートが受けられます。
また、「NU-NAVI」システムを通じて、学生が就職情報にアクセスできる環境が整備されているのも特徴の1つです。
さらには、「就職サポーター」と呼ばれる就職活動を終えた学生が後輩の相談に応じるボランティアが就活生の心強い味方となります。
同じ立場からのアドバイスが得られる点で学生から高い評価を得ている制度です。
また、留学生の就職支援も充実しており、愛岐留学生就職支援コンソーシアムを通じて、日本企業への就職をサポートしています。
これは、グローバル人材の育成と地域経済の活性化を同時に達成する取り組みとして注目されています。
名古屋大学の学生のインターン事情
名大生が参加するインターンは幅広く、名大ならではのインターン事情は大学が提供する独自のプログラムと地域産業との密接な連携によるインターン機会の拡充です。
名大は、学部生向けに「研究インターンシップ」という特色あるプログラムを提供しています。
このプログラムでは、学生が大学内の研究室で実際の研究プロジェクトに参加する機会を得ることができます。
研究インターンシップのメリットは、早期から最先端の研究に触れ、大学院進学や研究職キャリアの検討に役立てることができる点です。
また、環境学研究科が提供する「大学院インターンシッププログラム」は、学部生にも開放されており、研究室での数日間のインターンシップ機会を提供しています。
多くの学部生が就職か院進に悩みますが、実際に研究活動を体験して学部卒業後の進路を吟味できるのは学生にとって嬉しいポイントですね。
地域産業との連携においては、「愛知県インターンシップ推進協議会」を通じたインターンシップが注目されています。
この協議会には、トヨタ自動車など地元大手企業が多数参加しており、学生は5日間以上の長期インターンシップに参加することができます。
名大生にとって地域の主要産業を知る絶好の機会です。
名古屋大学のキャリアサポートセンターは、学生のインターン参加を積極的に支援しています。
具体的には、以下のようなサポートを提供しています。
- 「NU-NAVI」システムを通じたインターンシップ情報の一元化
- インターンシップガイダンスの開催
- エントリーシート添削
- 事前・事後研修
(参考:名古屋大学ALWAYS NU)
インターンは内定に近づいたり、志望業界を絞ったりする上で非常に重要な機会です。
一方でインターン参加に注力した結果、学業がおろそかになる学生も一定数います。
そのような課題に対応するため、名大は長期インターンに参加する学生に「インターンシップ参加届」の提出を義務付け、学生の安全確保と適切な保険適用を徹底しています。
名大生のインターンシップ参加は、地域の産業特性を活かしつつ、グローバルな視点も取り入れた多様なプログラムによって支えられているのが特徴です。
今後は、AI・IoTなどの新技術分野でのインターンシップ機会の拡充やより多様な業界とのマッチングが期待されます。
名古屋大学の就活に関してよくある質問
ここからは名大の就活に関して多くの人が気になることを紹介します。
留学生向けの就活支援はありますか?
名大は、留学生向けの特別な就職支援を行っています。
愛岐留学生就職支援コンソーシアムを通じて、日本企業への就職をサポートしています。
また、キャリアサポートセンターでは留学生向けのガイダンスや個別相談も実施しています。
公務員志望者向けの支援内容を教えて欲しい
名大のキャリアサポートセンターでは、公務員志望者向けの情報提供や相談対応を行っています。
公務員試験の募集要項やパンフレットの閲覧が可能で、個別相談も受け付けています。
また、公務員試験対策講座などのイベントも定期的に開催されています。
公務員志望者も安心して志望するキャリアを目指せる環境があると言えるでしょう。
まとめ
本記事で名古屋大学の就職事情を詳しく解説してきました。
名古屋という地域性からくる名大ならではの就活支援や名大生の志望特製がわかったのではないでしょうか。
名大生でこれから就活をする人や名大を目指している受験生の参考になれば幸いです。