宇宙ビジネス カオスマップ2026|学生が関われる24社を4カテゴリで整理

宇宙の仕事に興味はあっても、ロケットや衛星を作っている会社のうち、どこが学生を採っているのかまでは分からないのではないでしょうか。
国内の宇宙スタートアップは100社を超えていますが、新卒採用やインターンの募集を出している会社は一部にとどまります。編集部が60社の採用情報を確認したところ、学生が応募できたのは24社でした。
本マップには、新卒採用またはインターンの受け入れを確認できた24社だけを、ロケットから部品まで仕事の中身ごとに並べました。
目次
宇宙ビジネス カオスマップ 2026のダウンロードはこちら 【UT-Board編集部が厳選】仕事の中身が異なる、宇宙ビジネスの3社 QPS研究所(2-a 地球観測衛星) アークエッジ・スペース(2-b 衛星の開発・インテグレーション) ElevationSpace(3-a 軌道上サービス) 本マップを作成した背景 カテゴリ01|宇宙輸送(6社) カテゴリ02|衛星をつくる・運用する(7社) 2-a 地球観測衛星(3社) 2-b 衛星の開発・インテグレーション(4社) カテゴリ03|軌道上サービス・有人宇宙(5社) 3-a 軌道上サービス:デブリ除去・回収(2社) 3-b 有人宇宙・宇宙環境利用(3社) カテゴリ04|部品・ミッション支援(6社) 4-a 搭載機器(2社) 4-b 製造・試験・打上げの支援(4社) 掲載基準について 研究室で身につけた設計・解析の力は、長期インターンで就職前に試せる 本カオスマップの引用・転載について そのまま貼り付けられるHTML 紹介文が必要な場合のテンプレート 【企業様向け】本カオスマップへの情報掲載・修正について まとめ宇宙ビジネス カオスマップ 2026のダウンロードはこちら
印刷やスライドに貼れる高解像度版(6500px)もご用意しました。社内の勉強会や講義の資料にもお使いいただけます。
【UT-Board編集部が厳選】仕事の中身が異なる、宇宙ビジネスの3社
24社すべてを一度に調べるのは大変なので、宇宙の会社で働くイメージをつかむ入口として、仕事の中身が異なる3社を編集部で取り上げます。衛星の運用、衛星の量産、宇宙からの回収と、扱う工程が重ならない3社です。
QPS研究所(2-a 地球観測衛星)
QPS研究所は、九州大学の名誉教授らが福岡で創業した会社です。九州の地場企業と組んで小型のSAR衛星「QPS-SAR」を開発し、打ち上げたあとの運用までを一社で手がけています。
SAR衛星は電波で地表を撮るため、雲が厚い日や夜間でも観測できます。2023年12月には東証グロース市場に上場しました。公式サイトの社員対談には、新卒で入社した社員とインターンから入社した社員の両方が登場します。
- 本社:福岡県福岡市
- 手がけているもの:小型SAR衛星の開発・運用、観測データの提供
アークエッジ・スペース(2-b 衛星の開発・インテグレーション)
アークエッジ・スペースは、東京大学の中須賀・船瀬研究室の超小型衛星技術をもとに、衛星の企画・設計から量産・運用までを一括で引き受けている会社です。地球観測・通信・月探査と、用途の違う衛星を並行して手がけています。
2026年7月には、月の測位を実証する衛星の製造拠点を東京・新木場に新設しました。研究室で生まれた超小型衛星の技術を、会社として量産と運用につなげているので、大学で衛星開発に関わった学生にとっては、研究室の次にどんな仕事があるのかを知る手がかりになります。
- 関連大学:東京大学
- 手がけているもの:6U級を中心とした超小型衛星の設計・量産・運用
ElevationSpace(3-a 軌道上サービス)
ElevationSpaceは、東北大学の小型衛星開発の知見をもとに、宇宙で実験や製造をしたものを地球に持ち帰る回収プラットフォームを開発しています。再突入カプセルとエンジン、衛星バスまでを自社で開発し、再突入衛星「あおば」の開発を進めています。
仙台の本社のほか、福島に工場、東京と名古屋に拠点があります。宇宙から地上へモノを持ち帰る工程を事業の中心にしている会社は、本マップの24社ではElevationSpaceだけです。
- 関連大学:東北大学
- 手がけているもの:再突入カプセル、宇宙からの回収サービス
本マップを作成した背景
宇宙ビジネスのカオスマップはすでに何枚も公開されています。ただ、その多くは投資家や事業開発の担当者が市場を見渡すために作られたもので、学生を採用していない会社も同じ紙面に並んでいます。
そこで、公開されているカオスマップ、国の研究開発支援の採択一覧、宇宙業界の学生向けキャリアイベントの出展社一覧から77社を集めました。そのうち、ハードの開発や打上げの実務を担う60社の採用ページを1社ずつ確認しています。
確認してみると、推進系や搭載機器を開発する設立数年の会社では、募集が経験者向けの中途採用だけというケースが目立ちました。学生が応募できる会社に絞ると24社になり、この24社を1枚のマップにまとめました。
カテゴリ01|宇宙輸送(6社)
ロケットや宇宙機で、人や荷物を宇宙へ運ぶ会社です。機体を作る会社に加えて、ロケットを打ち上げる射場を運営する会社と、月面まで荷物を運ぶ会社もこのカテゴリに入れています。
- インターステラテクノロジズ:観測ロケット「MOMO」で、国内の民間企業単独として初めて宇宙空間に到達しました。いまは小型衛星を打ち上げるロケット「ZERO」と、通信衛星の事業を一社で進めています
- ロケットリンクテクノロジー:町工場でも製造できる低融点熱可塑性推進薬(LTP)を自社で開発し、低コストの固体ロケットを目指しています
- PDエアロスペース:有人・無人の完全再使用型宇宙機(スペースプレーン)を開発しています。沖縄県の下地島空港を拠点にした宇宙港事業にも取り組んでいます
- 将来宇宙輸送システム:人や貨物を毎日宇宙へ運ぶ「宇宙往還」を掲げ、再使用型の宇宙輸送システムを開発しています
- ispace:自社で開発した月着陸船で、月面への輸送に挑んでいます。ミッション3では大型ランダー「ULTRA」を投入する計画です
- SPACE COTAN:北海道大樹町とともに、民間に開かれた商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」の整備と運営を担っています
カテゴリ02|衛星をつくる・運用する(7社)
人工衛星を開発し、打ち上げたあとの運用まで担う会社です。自社の衛星でデータを売る会社と、他社から衛星の開発を請け負う会社に分けています。
2-a 地球観測衛星(3社)
宇宙から地表を撮影し、そのデータを提供する会社です。カメラで撮る光学衛星は写真と同じように見える一方、雲や夜間は撮れません。電波で撮るSAR衛星は、雲や夜間でも撮影できます。本マップでは光学が1社、SARが2社です。
- アクセルスペース:小型光学衛星による地球観測サービス「AxelGlobe」と、他社向けの衛星開発・量産「AxelLiner」の両方を手がけています
- QPS研究所:福岡を拠点に、小型SAR衛星「QPS-SAR」を開発・運用しています
- Synspective:小型SAR衛星「StriX」を自社で開発・運用し、取得したデータの解析まで一貫して提供しています
2-b 衛星の開発・インテグレーション(4社)
顧客の目的に合わせて衛星を設計し、部品を組み上げて完成させる会社です。4社とも大学の超小型衛星の研究を土台にしていて、東京大学・京都大学・東北大学・九州工業大学と土台になった大学がばらけています。
- アークエッジ・スペース:6U級を中心とした超小型衛星の量産から運用までを手がけています
- テラスペース:京都大学発の会社です。超小型衛星とフライトソフトウェアを自社で開発し、衛星を別の軌道へ運ぶ軌道投入サービスの実証まで進めています
- シスルナテクノロジーズ:東北大学の吉田研究室の衛星開発実績を土台に、50〜100kg級の超小型衛星を顧客ごとに企画から運用まで請け負っています
- キックスペーステクノロジーズ(Kick Space Technologies):九州工業大学の超小型衛星の開発実績を背景に、CubeSatの設計・製造・試験を行っています。アンテナや搭載コンピュータなどの部品も自社で開発しています
カテゴリ03|軌道上サービス・有人宇宙(5社)
打ち上げたあとの宇宙空間でサービスを提供する会社と、人が宇宙に行くことに関わる会社です。
3-a 軌道上サービス:デブリ除去・回収(2社)
宇宙ごみ(デブリ)の除去や、宇宙からの回収を事業にしている会社です。
- アストロスケール:デブリの除去や衛星の寿命延長など、軌道上サービスに専業で取り組んでいます。商業デブリ観測衛星「ADRAS-J」の打ち上げ実績があります
- ElevationSpace:宇宙で実験・製造したものを地球に持ち帰る、回収プラットフォームを開発しています
3-b 有人宇宙・宇宙環境利用(3社)
宇宙飛行士の活動を支える会社と、宇宙空間を実験や観光に使う会社です。ISSの日本実験棟「きぼう」の運用を長く担ってきた会社から、気球で成層圏へ行く宇宙遊覧を開発している会社までが並びます。
- 有人宇宙システム(JAMSS):国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の運用管制や、宇宙飛行士の訓練を担ってきました
- DigitalBlast:微小重力と部分重力を同時に再現できる宇宙実験装置を自社で開発しています。米Starlab社の商業宇宙ステーションの利用予約も手がけています
- 岩谷技研:気球と与圧キャビンを使い、特別な訓練なしで成層圏まで行ける宇宙遊覧の実現を目指しています
カテゴリ04|部品・ミッション支援(6社)
衛星やロケットに載せる機器を作る会社と、部品の製造、試験設備の運用、打上げの手配など、宇宙機が飛ぶまでの途中の工程を受け持つ会社です。
4-a 搭載機器(2社)
- Space Cubics:JAXAで宇宙機器を開発してきたエンジニアと、民生用コンピュータの設計者が組んだ会社です。超小型衛星向けの宇宙用コンピュータを開発しています
- ワープスペース:筑波大学の人工衛星開発プロジェクトを母体に、宇宙と地上を光でつなぐ通信を目指しています。宇宙用の光通信モデム「HOCSAI」を自社で開発しています
4-b 製造・試験・打上げの支援(4社)
- エイ・イー・エス:自社衛星「SOCRATES」の打ち上げ実績を持ちます。JAXA筑波宇宙センターにある大型試験設備の運用も一括で受託しています
- 三技協イオス:人工衛星の基板やハーネスの製造・検査・試験から、衛星や地上局の運用までを請け負っています
- 由紀精密:1961年創業の精密切削加工メーカーです。宇宙ステーション補給機「こうのとり」の小型回収カプセルのノズルや、デブリ除去実証機「ELSA-d」の捕獲機構など、宇宙機の部品を設計から製造まで手がけています
- Space BD:H3ロケット6号機で、基幹ロケットで初めての民間相乗り打上げサービスを実現しました。衛星の打上げ調整からISSの利用までを担っています
掲載基準について
本マップには、2026年10月時点で次の3つを満たす会社を掲載しています。
掲載の条件
- 衛星・ロケット・搭載機器などを自社で開発・製造している、または打上げ・射場・試験・運用といった宇宙機を飛ばすための実務を担っていること
- 新卒採用またはインターンの受け入れを確認できること
- 国内に拠点があり、大手企業グループの完全子会社ではないこと
2つ目は、各社の公式サイトや採用ページの募集要項、宇宙業界の学生向けキャリアイベントへの出展、学生のインターン体験記など、公開されている情報で確認しました。どの情報にも学生向けの募集が見当たらなかった会社は、事業の内容にかかわらず掲載していません。
分類は、宇宙機を「運ぶ」「作って運用する」「宇宙で使う」「支える」という仕事の中身で分けています。掲載は各社からの依頼や掲載料によるものではありません。上の基準に当てはまる会社を、公開情報をもとに編集部で掲載しています。
研究室で身につけた設計・解析の力は、長期インターンで就職前に試せる
本マップに載っている会社では、機械・電気・情報・物理など、理系の専門を活かせる仕事が多くあります。応募する前に、研究室で身につけた設計や解析、プログラミングが仕事でどう使われるのかを一度体験しておくと、どの会社のどの職種に応募するかを決めやすくなります。
UT-Boardは、東京大学・京都大学・早稲田大学・慶應義塾大学などの学生が使っている長期インターン求人サイトです。理系向けの求人だけを集めた一覧から、研究開発やデータ分析を任せている会社を探せます。
本カオスマップの引用・転載について
出典を明記していただければ、ご自由に引用・転載いただけます。 申請や事前のご連絡は不要です。ブログ・記事・社内資料・プレゼン資料・講義資料など、用途は問いません。
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<figcaption>出典:<a href="https://ut-board.com/article/student/space-business-chaosmap/">UT-Board「宇宙ビジネス カオスマップ 2026」</a></figcaption>
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紹介文が必要な場合のテンプレート
UT-Boardが公開している「宇宙ビジネス カオスマップ 2026」は、新卒採用やインターンの受け入れがある宇宙ビジネスの24社を、宇宙輸送/衛星をつくる・運用する/軌道上サービス・有人宇宙/部品・ミッション支援の4カテゴリに整理した資料です。各社の採用情報を公開情報で確認したうえで掲載されています。
【企業様向け】本カオスマップへの情報掲載・修正について
掲載内容は、各社の公式サイト・会社概要・採用ページなど公開情報をもとに編集部で作成しています。掲載費用はいただいておりません。
次のご依頼を承っています。
- 掲載内容(社名表記・事業内容)の誤りのご指摘
- ロゴの差し替え(指定のロゴデータをお送りいただけます)
- 分類区分の変更
- 掲載の取り下げ
- 未掲載の宇宙ビジネス企業のご掲載
ロゴの差し替えと取り下げは、ご連絡いただいた内容をそのまま反映します。分類の変更についても、実態と合っていないとのご指摘であれば見直します。
まとめ
射場の運営、試験設備の運用、精密部品の加工、打上げの手配など、宇宙機を飛ばすまでの工程ごとに会社があります。
本マップには、東京大学・京都大学・東北大学・九州大学・九州工業大学・筑波大学など、大学の衛星研究を土台にした会社も並んでいます。自分の大学や専攻に近い会社があれば、その会社の公式サイトで、何を作っているのかから確かめてみてください。