東京大学の就活事情は?就職先ランキング・平均年収・インターンを解説!
日本トップレベルの入試難易度を誇る東京大学。
多くの東大生が質の高い学びを受け、必死に勉強してやっとの思いで合格を掴んだことでしょう。
そのような東大生は大学もしくは大学院を卒業した後、どのような進路に進むのか気になりますよね。
就職活動には、大学受験のように「東京大学が最も難しい」といった明確な難易度の順番があるわけではありません。また、業界や職種も多岐にわたるため、東大生であっても就活に苦労することがあります。
本記事では現役東大生の筆者が、東大生の就職先ランキングや平均年収、東大生の就活事情について徹底的に解説・紹介していきます。
これから就活が始まる東大生や東京大学合格を目指す高校生は、ぜひ本記事を参考にしてください。
東京大学の就職先ランキング
東京大学を卒業した先輩から人気の企業を紹介します。
東大新聞オンラインの2023年度卒業者の就職先調査によると、学部卒はEYストラテジー・アンド・コンサルティング、大学院修了はアクセンチュアがそれぞれ最多の就職人数でした。
学部卒・大学院修了ともにITやコンサル業界の人気が非常に高いです。
また、給与水準が高い傾向にある外資系企業が上位にランクインしているのも東大生の就職先の特徴と言えます。
長年上位にランクインしていた金融や商社をおさえてITやコンサルが人気なのは、東大生のキャリア志向が変化していると考えられます。
終身雇用ではなく、転職が当たり前になってきている今こそ、20代のうちにスキルを身につけやすい仕事につきたいと思う東大生が多いのでしょう。
学部卒・大学院修了者の就職先をランキング形式で紹介するので、自身の気になる企業があるか確認してみてください。
順位 | 企業 | 就職人数 |
---|---|---|
1 | EY・ストラテジー・アンド・コンサルティング | 20 |
2 | アクセンチュア | 17 |
3 | アビームコンサルティング | 13 |
3 | 三菱商事 | 13 |
5 | ゴールドマンサックス証券 | 11 |
5 | デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー | 11 |
5 | マッキンゼー・アンド・カンパニー | 11 |
5 | 日本生命 | 11 |
9 | 楽天グループ | 10 |
9 | 三井住友銀行 | 10 |
9 | 三井物産 | 10 |
順位 | 企業 | 就職人数 |
---|---|---|
1 | アクセンチュア | 49 |
2 | 野村総合研究所 | 38 |
3 | 中外製薬 | 29 |
4 | ソニー | 25 |
5 | 楽天グループ | 24 |
6 | キーエンス | 23 |
7 | NTTデータ | 22 |
8 | EYステラテジー・アンド・コンサルティング | 20 |
8 | ソニーセミコンダクタソリューションズ | 20 |
10 | 日立製作所 | 19 |
参考: 【24卒東大生就職状況】学部生でEYストラテジー・アンド・コンサルティングが前年度11位→首位 院生トップは3年連続アクセンチュア - 東大新聞オンライン
ランキングは民間企業ですが、省庁では財務省・外務省・総務省・国土交通省が人気で10名以上就職しています。
<東大生の就活動向>
- 学部卒・大学院修了ともにITやコンサル業界の人気が非常に高い
- 給与水準が高い傾向にある外資系企業がランキング上位
- 省庁は財務省・外務省・総務省・国土交通省が人気
東京大学の卒業生の年収
東京大学の卒業生の平均年収は、他の大学を卒業した人と比較して非常に高いです。
民間給与実態統計調査によると、令和5年の全給与所得者の平均年収は460万円であるのに対し、オープンワークの調査では東大出身者の45歳時点での想定年収は1,155万円になります。(参考:働きがい研究所(openwork)
この差は695万円で、45歳から60歳まで働くと仮定した場合、生涯年収では優に1億円以上の差が生じる計算です。
また、出身大学別の30歳時年収ランキングでは、東京大学が810万9000円で1位となっており、2位の一橋大学(739万6000円)や3位の京都大学(727万6000円)を大きく引き離しています。
さらに、20代の年収ランキングでも東京大学が579万2000円で首位に立ち、2位の京都大学(544万4000円)や3位の一橋大学(529万6000円)との差は歴然です。
年収ランキングで名前が出ている大学はどこも非常に入試難易度が高い大学ですが、その中でもどの年代でも年収が高い東京大学の年収の高さが際立っているのは誰が見てもわかるでしょう。
もちろんすべての東京大学の卒業生が高収入というわけではなく、就職先によって差がみられます。
しかし、「東大合格=1億円の儲け」というフレーズがあるように、東京大学卒業の経済的価値は高いと言えます。
東京大学の学生の就職活動
東大生の就職活動は以下のような複数の特徴が挙げられます。
- 早期化と二極化
- 高い挑戦志向
- キャリアチェンジを前提とした就活
- コンサル業界への高い関心
- 起業志向の高まり
早期化と二極化
一般的に大学3年生の夏ごろから就活を始める人が多いです。
しかし、東大生は2年生の頃から「選抜コミュニティ」に参加する超早期組と大学院進学を見据えて開始が遅れる後発組に二分される傾向があります。
就職難易度の高いコンサル業界は、大学3年次の秋ごろから内定が出始めるので早くから就活を始めなければなりません。
東大生以外でもコンサルを志望する就活生は多くいますが、東大生はコンサル志望者が特に多いので、超早期組も珍しくありません。
高い挑戦志向
学歴の高い就活生は安定した大企業を狙いやすいですが、東大生は安定以上に挑戦を求める傾向にあります。
「人生にとって安定と挑戦のどちらが重要か」という問いに対し、安定と回答した東大生は27.7%であるのに対し、挑戦と回答した東大生は49.5%と高いです。
(参考:東大新聞オンライン)
大学受験の際に東大合格という高い壁を目指して挑戦し、成功した経験があるからこそ、就職や他の人生における分岐点でも挑戦を重視するのかもしれません。
キャリアチェンジを前提とした就活
キャリアチェンジを見据えているのは東大生以外の就活生にも共通している特徴です。
転職や第二新卒でのキャリアチェンジは、一昔前と比べてハードルが下がっており、企業側も転職者を受け入れる態勢のところが多くあります。
その中でも挑戦志向の強い東大生にとって、キャリアチェンジはよりしやすいものと言えるでしょう。
8割もの東大生がキャリアチェンジを視野に入れています。
参考:【イマドキ東大生のキャリア観】① 新たな「安定」は自分のスキルで得る - 東大新聞オンライン
コンサル業界への高い関心
東大生の63.9%が第3志望までにコンサルティング業界を含めており、圧倒的な人気を誇っています。(参考:東大新聞オンライン)
これは、東大生の論理的思考力や問題解決能力が高く評価されるこの業界との親和性が高いためと考えられます。
起業志向の高まり
近年、起業を志す東大生が増加しています。
実際、スタートアップ企業を立ち上げた人の出身大学で最も多いのが東京大学です。
これは、東大生の高い問題解決能力と挑戦志向が反映された結果と言えるでしょう。
(参考:経済産業省)
また、東京大学の総長も起業を推進しており、「今後10年で大学関連スタートアップの規模を700社に増やし、1兆円の資金調達を目指す」と述べました。
(参考:UTokyo)
東大生のインターン事情
東京大学の学生のインターン事情は、他の大学と比較して特徴的な傾向が見られます。
長期インターンへの参加率は、東大を含む一部の難関大学においてわずか8.5%程度と全体的に低い傾向にあります。
しかし、東大生が長期インターンに参加することで就活をぐっと有利に進められるので非常におすすめです。
東大生が長期インターンに参加するメリットを3つ紹介します。
- 選考での優位性:東大生は他大学の学生と比較して、レベルの高い業務を行う長期インターンの選考を有利に進められる傾向があります。
- 起業ノウハウの習得:スタートアップ企業を立ち上げた人の出身大学で最も多いのが東京大学であるため、起業を志す東大生にとって長期インターンは貴重な学習機会となります。
- 実務経験の獲得:通常の大学生活では得られない実践的なビジネススキルを身につけることができます。
長期インターンに参加するメリットは上記の通り複数あり、東京大学文学部・大学院人文社会系研究科では、6ヶ月以上の長期インターンシップを推奨しています。
短期インターンでは得られない深い業務理解と実践的なスキル習得が目的です。
また、中央省庁や研究機関のインターンシップも東大生に人気があります。
例えば、環境省、原子力規制庁、厚生労働省、経済産業省などの省庁や、JAXA、JETRO、JICAなどの機関が東大生向けにインターンシップを提供しています。
しかし、インターンシップへの参加に際しては、学事日程との調整が重要です。
東京大学では、授業期間中に実習が行われるインターンシップには推薦できないなど、学業との両立を重視しています。
東大生向けの長期インターン情報は、UT-Boardなどの専門サイトでも提供されているので、確認してみてください。
東大生などハイクラスな学生向け専門の情報サイトを活用することで、質の高い求人やイベント情報を得ることができます。
東大生の就活に関するよくある質問
東大生の就活に関して多くの人が気になることを紹介します。
東大生は全員が大企業に就職できる?
必ずしもそうではありません。
東大生の約70%が大手企業や官公庁に就職しますが、残りの30%は中小企業やベンチャー企業、NPOなどに就職しています。
個人の適性や志向によって就職先は多様化しています。
東大生の平均内定獲得数は?
東大生の平均内定獲得数は3.0社(中央値2社)です。
これは一般的な大学生と比べて少ない傾向にありますが、質を重視した就職活動を行っていることを示唆しています。
東大生の就職における強みは?
論理的思考力や問題解決能力が高く評価される傾向にあります。
また、研究活動を通じて培った専門知識や分析力も強みとなります 。
東大生の就職活動における課題は?
SPI・玉手箱などの就活テスト対策を軽視しがちな点が挙げられます。
東大生であっても点数が低いと希望の就職先から内定がもらえないこともあるので、しっかりと対策をしましょう。
まとめ
本記事では、東大生の就活事情について詳しく解説しました。
近年、就活において企業側が学歴ではなく就活生自信を評価すると唱っていますが、やはり東京大学卒業はアドバンテージになることは間違いありません。
東大生が入念に就活対策をすることで、希望の進路につける可能性は大いに高まるので油断せずに取り組んでください。